自身のスタイルでフレンチを提供する平野シェフ

飯塚市郊外の住宅地の一角にその店はあります。
一見しただけでは、レストランとは分からない隠れ家的な料理店。

オーナーシェフの平野 直人氏。同氏が2008年に開業した「ふらんす料理平野」はフランス料理のクラッシックな基本を大切にしながら自身の感覚を大切した、骨太の料理を愉しめます。

“父親に連れられて行った洋食屋で食べた時の記憶が忘れられず料理の世界へ”

料理人を目指されたきっかけは?

平野氏:
父親に連れられて行った洋食屋で、ホワイトソースで和えたマカロ二を食べた時の記憶>>違う世界を漠然と感じました。
強い記憶ではありませんし、忘れられない記憶というほど強くもないのですが 。いい感じで残ってます。

それから料理に興味を持たれた訳ですね?

平野氏:
はい。それから、小学生の高学年の時にハンバーグのデミグラスソースを再現しようとして自分なりの感で作ってみたところが、予想以上にうまくいかず撃沈しました(笑)

そういう経験を重ねて料理の道へと進んでいかれたんですね。

平野氏:
学生時代、現実に自分に適した持続可能な仕事を、、と考えた時に幼いころのそういう体験などが動機となった気がします。

夢の実現に向け、どのように歩んでいかれたのですか?

平野氏:
”こう在りたい”と、強く願うばかりです。恥ずかしながら、なかなか努力は伴いませんが。

どんな修業期間でしたか。

平野氏:
最初にお世話になったフランス料理店のシェフの影響は今でも心に強く刷り込まれてます。今振り返ると本当にありがたいことです。
その後も、強く”こう在りたい”と願っていながらも、あんまり努力しないのですが、好きなこととして料理は私にとって常に1番目に在りました。

長い年月の中にはたいへんな事もあったことでしょう。

平野氏:
そうですね。でも、行く先々で出会った個性的な素晴らしい人たちの影響のおかげでこれまでなんとかやってきました。
それと、なにより家族や兄弟の理解。これがあったからこそやってこれました。

“暗黒と絶望の世界におちいります”

どういう人が、料理人に向いていますか?

平野氏:
寝食忘れ、“料理が好き”なこと。
これに尽きますね。

この仕事の面白いところ、難しいところって何でしょう?

平野氏:
終わりがないところ。次々に来る壁、それを乗り越えた時の爽快感、達成感。
それが、面白いところであり、また難しいところでもあります。

つらい思いをする時もありますよね?

平野氏:
そうなんです。ときに、興味を失くしたり弱ったりした時には暗黒と絶望の世界におちいります。

“趣味も本気でやってます”

休日は何をして過ごされていますか?

平野氏:
まず、料理のことを考える。そして庭の草刈り、それからまた料理のことを考える。
たまに、今 流行りのガールズ バーへ出かける、、、これはジョークです(笑)

趣味や興味のあるものはなんですか?

平野氏:
趣味はいろいろありますよー!
料理 、写真 、読書、今一番は、この頃始めた珈琲。
これは師匠に付いて焙煎からやってます。趣味も本気でやってます。

お忙しいのにすごいですね。

平野氏:
いえいえ。あ、あと、山!山は昔から好きですね。近い将来は山に移住したいと思ってます。

最後に、料理人を目指す方へのメッセージをお願いします。

平野氏:
料理人、パティシエ、スターシェフ、どれも、 見た目は華やかに見えますが、虚構です。
見えない部分を感じ取って下さい。物凄い努力があっての事。
真に料理を好きになって下さい。厳しくも 本当に楽しい料理の世界が待ってます。
多少下手でも構いません。私も下手です。
知らない事、出来ないことは、確かに恥ずかしいことに違いありませんが。若い時に恥かいて下さい。
私は、今でも恥かいてます、昔より少なくなりましたが。
趣味も仕事も本気でやらないと本当のところは見えてこないように思います。
本気でやりましょう。